通気管はどう計画したらいいんだ?
配管計画の注意事項って何だ?
通気管の配管計画について教えて!
今回はこんな疑問にお答えします。
3分でわかる設備の計画では、建築設備に関する計画について、3分で理解できる簡単な解説を行います。
本記事では排水設備の通気管の配管計画について解説します。
通気管の配管計画は大きく分けて以下の3点に留意して計画します。
- 排水トラップの封水が破封しないように、有効に通気管が設置されているか。
- 通気管は排水の流入の恐れがない構造となっているか。
- 通気管の末端は、衛生的に解放されているか。また、通気弁(ドルゴ通気)の場合は、適切に設置されているか。
通気管とは?
通気管とは、排水管内の圧力変動を緩和するために設ける配管のことです。
通気管は排水の流れを円滑にし、臭気対策を目的としたトラップ封水を保護します。
通気管の配管計画
通気管の配管計画は大きく分けて以下の3点に留意して計画します。
留意点
- 排水トラップの封水が破封しないように、有効に通気管が設置されているか。
- 通気管は排水の流入の恐れがない構造となっているか。
- 通気管の末端は、衛生的に解放されているか。
また、通気弁(ドルゴ通気)の場合は、適切に設置されているか。
排水トラップの封水が破封しないように、有効に通気管が設置されているか。
通気管の目的の1つが封水の保護です。
よって適切に配管サイズを決定することが大事になります。
サイズ選定については以下の記事をご確認ください。
排水設備の通気管サイズの決定方法【3分でわかる設備の計算書】
また通気方式は建築計画や排水システムに応じた適切な方式を採用しましょう。
主な方式は以下の3種類です。ループ通気方式がもっとも一般的です。
- ループ通気方式
- 各個通気方式
- 伸頂通気方式
通気管は排水の流入の恐れがない構造となっているか。
通気管内に汚水が入ると、排水物が通気管に残り閉塞させ、通気機能を阻害することになります。
また配管の劣化も早くなってしまいます。
通気管の取り出し
排水横管からの通気管取り出しは、排水横管の頂部または頂部から45°以内に取り出すようにしましょう。
(3)の横からの取り出しは、前述のように通気機能を阻害するのでNGです。
横枝管の接続
通気横枝管は、原則として(1)のようにその階の器具の最高位のあふれ縁より150mm以上上方で横走りさせましょう。
やむを得ず低い位置で横走りさせる場合は(2)のように通気管の接続高さに留意しましょう。
(3)のような計画はNGですので注意してください。
通気管の末端は、衛生的に開放されているか。また、通気弁(ドルゴ通気)の場合は、適切に設置されているか。
通気口の開放の場合
通気管の末端には大気に開放するための通気口を設置します。
臭い対策として通気口は各所開口部分などから一定以上の離隔を確保してください。
また図中の距離は最短距離であり、風向きなどの影響を避けるためにできるだけ距離を取ることが望ましいです。
通気弁の採用の場合
スペースなどの都合で通気口で大気に開放できない場合は、通気弁(ドルゴ通気弁)を用いる場合があります。
通気口に比べて、通気弁は結露問題などを引き起こす恐れがありますので、原則的に通気口での計画を検討してください。
通気弁を採用する際には以下に留意してください。
- 通気弁は、実験によって、気密性能、吸気性能、耐久性能などについて安全性・信頼性が確認されたものとする。
- 伸頂通気管の頂部に設置する場合、床面より1m以上で、かつ、最上階の最高位器具のあるれ縁より150mm以上高所に設置する。
- 正圧緩和機構がないため、排水槽の通気管には採用できない。
- 点検・保守・交換が可能な位置(点検口の設置など)に、設置する。
まとめ
本記事では排水設備の通気管の配管計画について解説しました。
通気管の配管計画は大きく分けて以下の3点に留意して計画します。
留意点
- 排水トラップの封水が破封しないように、有効に通気管が設置されているか。
- 通気管は排水の流入の恐れがない構造となっているか。
- 通気管の末端は、衛生的に解放されているか。
また、通気弁(ドルゴ通気)の場合は、適切に設置されているか。
本記事は簡単に計算方法をまとめています。
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本記事が皆さんの実務や資格勉強の参考になれば幸いです。
» 参考:建築設備士に合格するためのコツと勉強方法【学科は独学、製図は講習会で合格です】
» 参考:一級建築士試験の資格学校4選について解説【おすすめはスタディングとTACです】
以上、排水設備の通気管の配管計画について解説でした。
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