換気設備の静圧計算って何だ?
静圧計算はどうやって計算するんだ?
静圧計算の簡単な方法を教えて!
今回はこんな疑問にお答えします。
3分でわかる設備の計算書では、建築設備に関する計算方法について、3分で理解できる簡単な解説を行います。
本記事では換気設備の静圧計算の計算方法について解説します。
ダクトの直管部と局部の圧力損失を分けて計算しましょう。
静圧計算とは?
換気ファンで部屋へ空気を供給する際に、ダクト摩擦などの障害により搬送空気に圧力損失が生じます。静圧計算とは、この圧力損失の計算を指しているんです。
換気設備のファンは風量&圧力で選びます。
ファンは必要風量を確保することはもちろんですが、その空気を運ぶためのダクトなどによる圧力損失にも満足した能力が必要です。そのために静圧計算が必要なんですね。
静圧計算の方法
静圧計算は以下の2つの総和により算出します。
- 直管部の圧力損失:ダクト摩擦による圧力損失
- 局部の圧力損失:ダクトの曲がりや制気口などの障害による圧力損失
計算式
P = α × (Ps + Pl)
Ps = L × r
Pl = 1/2 × ζ × v^2 × ρ
計算式の凡例
Ps:直管部の圧力損失[Pa]
Pl:局部の圧力損失[Pa]
α:余裕率[-](=1.0~1.2)
L:直管部の長さ[m]
r:ダクトの単位圧力損失[Pa/m](=1.0)
ζ:局部抵抗係数[-]
v:風速[m/s]
ρ:空気の密度[kg/m3](=1.2)
局部抵抗係数の例は以下の通りです。その他は空気調和設備計画設計の実務の知識などをご参照下さい。
円形ダクトのベンド(成形)
局部抵抗数ζ
計算例
条件
余裕率:1.1 ダクト長:10m ダクトの単位圧損:1.0P/m
エルボの局部抵抗係数:0.22 風速:10m/s
制気口の圧力損失:20Pa ベントキャップの圧力損失:30Pa
計算結果
P = 1.1 × (10 × 1.0 + 1/2 × 0.22 × 10^2 × 1.2 + 20 + 30) ≒ 90Pa
まとめ
本記事では換気設備の静圧計算の計算方法について解説しました。
ダクトの直管部と局部の圧力損失を分けて計算しましょう。
本記事は簡単に計算方法をまとめています。
以下の書籍により詳しい内容が記載されています。
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本記事が皆さんの実務や資格勉強の参考になれば幸いです。
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以上、換気設備の静圧計算の計算方法について解説【3分でわかる設備の計算書】でした。
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