一級建築士の学科試験勉強を効率的に進めたい
どのような学習をすべきかわからない
学科試験の合格方法が知りたい!
と思う方が今回はこんな疑問にお答えします。
学科試験は日建学院と総合資格の2学校で学習し、合格まで2年かかりました。
合格と不合格の両方を経験した私が出した結論が、以下の2つです。
合格のポイント
- 十分な学習期間を確保すること
- 「法規」と「構造」で高得点を取ること
シンプルかつ、間違いないです。
この合格のポイントを踏まえて、本記事を参考にしていただければ、合格率が上がります。
本記事では、私の受験経験から一級建築士の学科科目の難易度とその対策方法についてまとめました。
具体的に数値目標などを示していますが、あくまで私の経験に基づいた考えです。
ご了承ください。
これからの学習の1参考例になれば幸いです。
また本記事は資格学校に通っていることを前提にしています。
一級建築士試験は、独学での合格が難しいです。
資格学校に申し込んでいない方は、早急にご検討ください。
以下の記事が参考になりますのでぜひチェックしてください。
一級建築士試験の資格学校4選について解説【おすすめはスタディングとTACです】
合格者が無料でスタディングの一級建築士講座を試してみた感想について
【合格ポイント1】学科試験の学習期間
まずは合格のポイント1つ目の”十分な学習期間を確保すること”について説明します。
またこの学習期間は、資格学校が推奨する学習時かそれ以上を確保できる前提です。
おすすめする学習期間は8~10カ月
推奨する学習の開始は、前年の10月~12月です。
7月が試験だとすると、8~10カ月の学習期間となります。
幅がある理由は、忙しさが人それぞれだからですね。
12~7月にかけて学習時間を確保できる人は、12月からでも間に合います。
長期間の学習はおすすめしない
私の経験上、長期間の学習はおすすめしません。
長すぎると
- 初期に暗記した内容を忘れる
- 学習意欲が落ちる
からです。
私は2年目の不合格後すぐに、学科試験の勉強を始めました。
すると、学習意欲が保てず4月でダレてしまいました。
そこからは惰性で勉強していましたね。
知識と熱量のピークが7月になることが大事です。
【合格ポイント2】学科試験の難易度と学習方法
合格のポイント2つ目は”「法規」と「構造」で高得点を取ること”です。
その理由は5つの科目を比較して、「法規」と「構造」は以下のような特徴があるためです。
「法規」と「構造」の特徴
- 新出問題が少なく安定して高得点がとりやすい
- 暗記要素が少ないため忘れる恐れが低い
- 配点が高い
「法規」と「構造」は配点が高く、加えて安定して高得点がとりやすい科目です。
仮にこの2科目で9割(54点)得点できたとします。
すると、合格ライン目安90点の60%(54/90)もこの2科目で満たすことになります。
そしてそれは不可能ではありません。
本章では、各学科科目の対策も合わせて、「法規」と「構造」の重要性について解説します。
学科I(計画)の対策
配点:★☆☆
「計画」は配点が20点と低いですが、比較的点数を伸ばしやすい科目です。
しかし建物名を選択する問題等があり、新出問題を出しやすい科目となっています。
よって年度による難易度にばらつきがあるため、得点を安定させにくい特徴があります。
14点(70%)以上を安定して得点できるようになることをおすすめします。
ちなみに私は足切り点(12~13点程度)以上を取れればよし!、としていました。
難易度:★☆☆
学習方法は暗記がメインとなりますので、難易度は低い科目といえます。
階段の踏面寸法など、日常生活でイメージしやすい要素も出題されます。
学習期間:★☆☆
学習期間としても4月に入ってからでも間に合います。
暗記要素が多いので、早期から取り組むと忘れてしまう恐れがあります。
できるだけ後半に取り組むと効率的に学習できます。
学科II(環境・設備)の難易度と対策
配点:★☆☆
「環境」は「計画」と同様に配点は20点と低いです。
また省エネなど近年注目を集めている分野であるため、新出問題を出しやすい科目となっています。
「計画」ほどではありませんが、比較的得点を安定させにくい科目です。
14点(70%)以上を安定して得点できるようになることをおすすめします。
難易度:★★☆
暗記が多い科目あり、加えて計算問題も出題されます。
設備機器や環境工学に関する出題であるため、とっつきにくい印象があります。
学習期間:★★☆
計算問題がある分、「計画」よりも少し学習期間がかかります。
計算問題や考え方から学んでいき、後半に暗記要素に取り組むことをおすすめします。
学科III(法規) の難易度と対策
配点:★★★
法規は配点が30点と高く、安定して高得点できる科目です。
満点を取ることも不可能ではありません。
高得点できる理由
- 新しい法律の施行が少ないため、過去問からの出題頻度が高い
- 出題の「答え」が載っている法令集を持ち込める
- 法令集を用いた解き方を理解すればよいので、忘れにくい
24点(80%)以上を安定して得点できるようになることをおすすめします。
目標としては27点(90%)以上を目指しましょう!
難易度:★★☆
法律なので難しそうな印象がありますが、そんなことはありません。
建築におけるルールが示されているだけですので、意外と理解しやすいです。
勉強方法は過去問を解くことで法令集の使いこなし、かつ各問題の解き方パターンを理解すればよいです。
暗記ではありませんので、一度解き方パターンを身に着けてしまえば、その後は安定して得点することができます。
私は4月の時点で学習を完了させて、その後の模試で常に8割以上をキープできていました。
学習期間:★★★
「法規」の最大の難点は、時間がかかるという点です。
法令集を使ってやっと解ける問題であるため、1問解くのに時間がかかります。
学習は初期段階から全力で取り組んでください。
資格学校で法令集が配られ次第、学習に取り組むことをおすすめします。
学科IV(構造)の難易度と対策
配点:★★★
構造は法規と同様に配点が30点と高く、こちらも安定して高得点できる科目となります。
高得点できる理由
- 構造分野に関する新情報は少なく、新出問題が出しにくい
- 出題者側の問題調整が少ないため、年度による難易度がブレにくい
- 構造の理論を理解できていれば解ける問題がある
構造分野をよく理解している人にとっては、大きな得点源になります。
構造設計や技術研究所の友人はあまり勉強していないのに8割以上をキープしていました。
うらやましいです。
24点(80%)以上を安定して得点できるようになることをおすすめします。
目標としては27点(90%)以上を目指しましょう!
難易度:★★★
構造系の研究室を出ていない限り、誰もが一番難しく感じる科目です。
時間がかかる上に、きちんと基礎から理解していないと得点は伸びにくいです。
私は初期から取り組んでいたにも関わらず、十分に理解にできず、7〜8割位を行き来していました。
学習期間:★★★
学習は初期段階から全力で取り組んでください。
私の構造系の友人たちは安定して高得点を取れていました。
一度解法や理論をマスターしてしまえば、法規と同様に安定して得点が期待できます。
必要な学習期間は長いです。
計算問題があり、理論の理解が必要、暗記要素も少なくないため取り組むべき項目がたくさんあります。
早い時期から取り組み、時間をかけて学習しましょう。
学科V(施工)の難易度と対策
配点:★★☆
施工は25点と全科目で中間的な存在です。
携わったことのある工事種別の問題は、解きやすく感じます。
施工系の人は、よい得点源になる科目です。
18点(70%)以上を安定して得点できるようになることをおすすめします。
施工系の人は好い得点源になりますので、20点(80%)以上を目指してください。
難易度:★★☆
暗記がメインの科目であり、その工事内容を理解しているか否かで難易度が大きく変わります。
その工事を深く理解している受験者であれば、数値の誤りに気が付きやすいです。
難易度としては、施工系の受験者であれば★★☆、そうでなければ★★★です。
私は設備設計職であるため、大半の工事を見たことがありませんでした。
よって「施工」も得点源とは捉えず、最低でも6~7割り取ることを目標に取り組んでいました。
学習期間:★★☆
各工事種別に関する知識は学習前半から、暗記類は学習後半に学ぶことをおすすめします。
必要な学習期間は環境よりも少し長めといったイメージです。
まとめ
本記事では、一級建築士学科試験の合格のポイント、難易度や勉強方法について解説しました。
合格のポイント
- 十分な学習期間を確保すること
- 「法規」と「構造」で高得点を取ること
結論としては、「法規」と「構造」をマスターする気持ちで取り組むことが重要です。
しかし、あまりに長すぎる学習期間は、学習意欲が損なわれますのでおすすめしません。
10月~12月が開始時期の目安となります。
メリハリをつけて効率的に学習することで確実に合格を勝ち取ってください。
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以上、一級建築士学科試験の合格のポイント、難易度や勉強方法について解説、でした。
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