建設業界におけるクラウドサービス活用について【IT初心者でも始められるAWSの魅力と実践事例】

質問・疑問

クラウドサービスとは?
AWSを使うメリットは?
建設業界でのAWS活用例を教えて!

今回はこんな疑問にお答えします。

建設現場や設計事務所、技術研究所など、建設業界でも「ITを活用して業務をもっとスムーズにできないか?」という声が高まっています。

そこで注目されるのが、Amazonが提供するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」です。

結論

IT初心者でも始められるクラウドサービスはAWSがおすすめです!

本記事ではITに詳しくない方でも理解しやすいように、AWSの基本や特徴、使うメリット・注意点、そして建設現場での活用例を紹介します。

AWSを初めて使う方でも、この記事を読めば「こんな使い方があるんだ!」と感じていただける内容になっています。

目次

AWSって何?

AWSは、クラウドサービスというサービス形態に該当します。

クラウドサービスとは、インターネットを通してサーバーやデータの保存場所、プログラムを動かす仕組みなどを提供してくれるサービスです。

その中でAWSは、世界でトップシェアを誇るクラウドサービスです。

出典:Canalys「Worldwide cloud service spend to grow by 23% in 2023

従来は、会社でサーバーを自前で用意し、管理する必要がありましたが、AWSを使えば、インターネットに接続できる環境さえあれば、誰でも簡単にサーバーを利用できるようになります。

また、AWSには多くの機能が用意されており、必要なときに必要な分だけ利用できるため、初めての方でも手軽に始められるのが大きな特徴です。

AWS以外もアリです

AWS以外にも、Azure(Microsoft Azure)やGCP(Google Cloud)といったクラウドサービスがあります。

それらクラウドサービスでも利用できることはおおむね同じです。

デジタル技術に触り始めた建設関係者の皆さんにはAWSをおすすめしますが、ほかのクラウドサービスもとても素晴らしいので全然アリです。

AWS

誰にでも、特に初心者におすすめ

Azure

Microsoft環境と連携させたい人におすすめ

GCP

Googleサービスと連携させたい人におすすめ

AWSの特徴

ここでは、AWSの特徴を代表で3つ説明します。

より詳しく確認したい方は公式ページをご確認ください

たくさんのサービスがある

出典:AWS「AWS の クラウドが選ばれる 10 の理由

AWSは、サーバーを動かすためのコンピューター、データを保存する場所、画像や動画の加工、さらにはAI(人工知能)を使った処理など、200種類以上のサービスを提供しています

例えば、簡単なウェブサイトの公開から、大きなデータの分析まで、さまざまな用途に合わせたサービスがあります。

必要な機能だけを選んで使えるため、無駄なく業務に活かせます。

また最新技術がどんどん追加されていきます。サービスが陳腐化されないことも大きな利点です。

私たちが、「ITでこういうことやりたいなぁ」と思ったことは、すべてAWSで解決できるといっても過言ではありません。それぐらい豊富!

初期費用ゼロ/低価格

出典:AWS「AWS の クラウドが選ばれる 10 の理由

初期費用がほとんどかからないのが大きな魅力です。

従来、サーバーを自前で用意する場合、ハードウェアの購入や設置、管理に多くの費用が必要でした。

しかし、AWSでは「使った分だけ」料金が発生する従量課金制を採用しているため、最初に大きな投資をする必要がありません。

小さなプロジェクトやテストの段階でも、低コストでスタートできるので、気軽にクラウドサービスを試すことができます。

また、必要なときに必要なリソースを追加できる柔軟性もあり、事業拡大に合わせた費用管理がしやすいのも特徴です。

初期費用無し、使った分だけで低コスト。無料枠が豊富な点も良いところです!

ただし、機械学習系など複雑な技術を用いるサービスは高額なので注意が必要です。

コスト関連は各サービスを利用する前に料金体系を確認しましょう。

コストはサービスにより、バラバラなので必ず料金体系をチェックして利用しましょう!

任せきりで運用の知識が不要

出典:AWS「AWS の クラウドが選ばれる 10 の理由

AWSは、システムの管理や面倒な設定作業をほとんどAWS側に任せられるサービスを提供しています。

たとえば、データベースの更新やバックアップなど、通常なら専門の知識が必要な作業も、AWSに任せることで自動で行われます。

これにより、自分で細かい設定を覚えなくても、安心してシステムを運用できるのが魅力です。

専門知識がなくても、すぐにサービスを始められるので、初めての方でも簡単に利用できます。

細かい設定や運用は、AWSが自動でいい感じに対応してくれます!

AWSを使うメリット

IT初心者の方がAWSを使うと、どのような良い点があるのでしょうか。

ここでは、そのメリットを3つご紹介します。

たくさんの学習資料がある

AWSは利用者が多いため、分かりやすい説明書や動画、オンライン講座など、初心者向けの学習コンテンツが豊富です。

同じクラウドサービスであるAzureやGCPも引けを取らないサービスですが、情報量の差がAWSをおすすめする大きな理由です。

例えば公式ドキュメントは細かい手順や設定方法が説明されており、困ったときにすぐに確認できます。またQiitaのようなコミュニティではさまざまな活用事例などが紹介されています。

サイトの例
公式ドキュメント

AWS サービス別資料

コミュニティ

QiitaのAWSタグページ

webサイト、書籍、プログラミングスクールなど情報が豊富で学習コストを下げられます!

実際に触って学べる

AWSは、初めての方でも簡単に始められる「無料利用枠」があります。

この無料枠の範囲内で体験しながら学ぶことが可能です。

実際にサーバーを起動したり、データを保存する作業を通じて、クラウドの使い方を身につけることができます。

最初はお金をかけずにAWSの仕組みを試せるので、失敗を恐れずに安心して試せます!

例えば、公式ドキュメントに沿って、以下のような日本語を英語に翻訳するサービスを自分で作成するという体験が可能です。

出典:AWS「翻訳 Web API の構築を通して、サーバーレスアーキテクチャの基本を学ぶ

将来の仕事に役立つ

クラウド技術は今後、あらゆる業界で重要になっていき、多くのサービスがクラウド環境に現在進行形で移行しています。

AWSを通してクラウド技術を学び、理解することは今後の仕事の大きなアドバンテージとなります。

またAWSでは認定資格があります。この認定資格に取り組みことで、資格取得のみならず、多くの知見を得ることができます。

AWSを使うことができるようになれば、様々な場面で業務改善・作業の自動化が可能になり、業務効率が大きく向上します。

出典:AWS「AWS 認定

AWSを使うデメリット

AWSにはメリットが多い一方で、初めのうちは注意が必要な面もあります。

ここでは、初心者の方が気を付けるべき点を3つ説明します。

サービスが多すぎて迷いやすい

AWSはたくさんのサービスがあるため、どれを使えばよいのか最初は迷ってしまうかもしれません。

最初はハンズオンなどに取り組み、よく使われる基本的なサービスから始め、慣れてきたら他のサービスにチャレンジしましょう。

  • 最初はハンズオンに取り組む
  • 慣れてきたら自身が使いたいサービスにチャレンジ
  • プログラミングスクールなど学習教材を利用するのも良い

料金がかかる場合がある

AWSは使った分だけ料金が発生する仕組みです。

気が付いたら、高額の請求が発生していたということも起こりかねません。

まずは無料で使える範囲で実験し、使い方に慣れてから必要なサービスに移行するのが安全です。

新しいサービスを利用する前に、公式の料金をチェックすると安心です。

また設定ミスや不要なリソースが動き続けると、思わぬ料金がかかることがあるので、こまめに管理しましょう。

  • 最初は無料枠範囲内で利用
  • 利用前に料金表をチェック
  • 小まめに料金を管理する
  • プログラミングスクールなどで基本を学ぶのもアリ

新しい知識を学ぶのが大変

AWSは常に新しいサービスが追加されるため、情報を追うのが大変です。

一度に全てを覚えようとせず、必要なものから順番に学んでいくと無理なく知識が身につきます。

また継続的な学習が重要です。

私も常に新しいサービスの学習をしています。

定期的に学習する時間を作ることで、最新情報にも対応できるようになります。

  • 段階的に学ぶ
  • 継続して学習する

建設業界でのAWS活用例

AWSは建設業界でもさまざまな場面で活用できます。

ここでは、設計者、現場管理者、技術研究所の職員を例に、どのようにAWSを使えるかを説明します。

設計者向けの利用例

クラウドでCADやBIMツールを使う

  • :大きな設計図や3Dモデルを、クラウド上のサーバーで処理する。
  • ポイント:大容量のBIMデータなどを扱う場合、会社で支給されるPCではスペック不足で十分に動かないという事態が発生します。そういう際にAWSのクラウド上にPCを設けることで、自社で高価な機械を用意しなくても、必要なときにだけ高性能なコンピューターを利用できるので、コストを抑えられます。

設計データの保存と共有

  • :設計図やモデルのデータをAmazon S3に保存し、関係者と共有する。
  • ポイント:許可されたユーザーであれば、どこからでも最新のデータにアクセスでき、災害時にも大切な情報が守られます。

工事管理者向けの利用例

現場の安全・進捗管理

  • :建設現場に設置したセンサーやカメラのデータを、AWSで集めて管理。
  • ポイント:リアルタイムで現場の状況を確認できるため、迅速な対応が可能になります。

現場データの集計と分析

  • :作業時間や資材の使用状況をAWS上でデータとしてまとめ、グラフやダッシュボードで表示する。
  • ポイント:データを見える化することで、工事の進捗や問題点が一目でわかるようになります。

技術研究所向けの利用例

大量データの保存と解析

  • :現場のセンサー情報や設計データをAmazon S3に保存し、必要に応じて簡単なクエリで分析する。
  • ポイント:大量のデータも手軽に管理・解析でき、研究や改善に役立ちます。

機械学習で予測や異常検知

  • :Amazon SageMakerを利用して、現場で起こりうるトラブルの予測や、異常を早期に発見するモデルを作成する。
  • ポイント:専門知識がなくても、サンプルをもとに学習させることで、業務の安全性向上や効率改善に貢献します。

私の活用例

私は設備設計職からデジタル関連の仕事が主な業務になっています。

その中でAWSには非常にお世話になっています。

もうクラウドサービス無しでは業務が成立しないレベルです。

私の活用例をいかに示します。

BIMデータの編集環境作成

前記していますが、大容量データを扱う際に自身のPCスペックでは不足してフリーズすることがあります。

そこでAWSの高性能クラウドサーバー上にCAD操作環境を作り、そこでBIMデータを編集しています。

使わないときはこのクラウドサーバーを停止させればよいため、余計なコストも抑えることができています。

データの計算自動化

例えば建物内の温湿度センサーなどをAWS環境と連携させることができます。

センサー情報をリアルタイムに収集→解析・集計→保存→見える化を実現しています。

こういったこともAWS環境だけで完結させることが可能です。

webアプリケーションの公開

自信が作成したwebアプリケーションをAWSを用いて公開しています。

従来ですと、実際にサーバーを購入してデータベースを用意して…、ということをやる必要がありました。いまだに数年前までど素人だった私にはできません。

しかしこれらがすべてクラウド上で完結するため、元々素人だった私でも簡単にホームページやwebアプリケーションを公開できるようになりました。

AWSサービスの理解とデジタル関連のちょっとした知識により、本当に簡単に実現が可能です。

まとめ

AWSは、建設業界で働く皆さんにとって、IT初心者でも始めやすいクラウドサービスです。

  • 豊富なサービスで、必要な機能だけを選んで利用でき、業務の効率化やコスト削減につながります。
  • グローバルなサーバー環境が、現場の情報共有やリアルタイムな管理を実現し、作業のスピードアップを助けます。
  • 高い安全性が、大切な設計データや現場情報を守り、安心して利用できるポイントです。

また、初めてAWSを使う場合でも、無料利用枠や充実した学習資料があるため、実際に触りながら学ぶことができます。

ただし、サービスが多すぎてどこから始めればよいか迷ったり、使い過ぎによる予期しない料金が発生することもあるので、初めはシンプルな機能からスタートし、段階的に学んでいくことが大切です。

建設業界での活用例としては、クラウド上での大容量BIMデータ利用、施工上の安全管理や進捗の把握、データの解析や機械学習の利用など、各現場で幅広くAWSを応用できることがわかります。

これにより、従来の手作業中心の作業が自動化・効率化され、より安全で生産性の高い現場運営が実現できるでしょう。

IT初心者の皆さんも、AWSの無料利用枠を使ってまずは体験してみることをおすすめします。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、少しずつ触れていくうちに「こうやって使うんだ!」と実感できるはずです。

そして、AWSの力を借りて、建設現場での作業改善やデジタル化が進むことで、未来の建設業界を支える新たな一歩となるでしょう。

他にも設備に関する計算方法や資格についてもまとめています。

ぜひチェックしてください!

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本記事が皆さんの実務や資格勉強の参考になれば幸いです。

以上、建設業界におけるAWS活用ガイド【IT初心者でも始められるクラウド環境の魅力と実践事例】でした。

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