建築設計として働きたいけどどうすればいいの?
未経験者が建築設計になる方法はあるの?
設計は敷居が高いんでなれないでしょ…
今回はこんな疑問にお答えします。
CADオペレーターとなりそこから転職することで、未経験者でも建築設計者になることが可能です。
建築設計はスキル、将来性、収入面からメリットが多い業種です。
» 需要・将来性:建築設備設計職の需要について
» 転職:設備設計の転職について
» スキル・年収:設備設計になるメリットとデメリットとは【メリットが多い価値のある職業です】
しかし建築設計職になることや建築関係の資格を得ることは簡単ではありません。
就職・資格の試験自体の難易度も高いですが、一番の問題はその受験資格を得ることが難しいところにあります。
時間とお金があるのであれば、建築工学系の4年制大学に通うことが一番の近道だと言えます。
建築工学系の学校に通えばたいていの条件は満たすことができます。
詳しい内容は以下の記事をご確認下さい。
» 参考:設備設計の新卒募集・求人対象について【4年制大学の建築学科だけではありません】
しかしもっと簡単に建築設計になるため方法は他にあります。
それはCADオペレーターとして仕事を始め、そこからスキルを磨き転職していく方法です。
本記事では未経験者が建築設計者になる方法について解説します。
CADオペレーターとは
CADオペレーターとは、CADの操作を専門的に行う職種のことを指します。
主な仕事内容は、設計士やデザイナーなどの指示に従い、CADソフトを駆使して図面を修正・調整・作製することがメイン業務となります。
建築業界は2DモデルをベースとしたCADから、3DモデルをベースとしたBIMへ移行する過渡期にあります。
作図に求められるスキルは増しており、設計者だけでは対応することが難しくなっており、今後益々CADオペレーターの需要は増していきます。
CADオペレーターの年収
参考にCADオペレーターの年収を確認しましょう。
CADオペレーターの年収はおおよそ300から高い人で1000万円を超えます。
平均年収は約490万円となります。
日本の平均年収よりも高い水準にあることが伺えます。
働きながらCADという稀有なスキルを身に着けられます。
加えて資格取得により、さらなるステップアップが望めますので年収以上の魅力がある職種だと言えます。
そもそもCADオペレーターも良いキャリア
少し話がそれますが、そもそもCADオペレーターとして専門性を磨いていくことも十分ありです。
たしかに年収や業務範囲は建築設計職のほうが良い傾向にあります。
CADオペレーターが建築計画は原則的にできません。
しかしCADオペレーターという職種に生きがいを感じるのであれば、そのキャリアを突き進んでよいと思います。
年収も1000万円を超えてる人もいます。
近年の年収増加は、2次元CADから3次元BIMへの移行で、CADオペレーターの需要が増していることに起因すると推測します。
優秀なCADオペレーターとなれば、引手数多で職に困ることはまずないでしょう。
CADオペレーターから転職できる建築設計職の種類
建築設計職には大きく分けて以下の3種類があります。
建築設計職の種類
- 意匠設計
- 構造設計
- 設備設計
この中で意匠設計と設備設計がCADオペレーターから転職することが可能です。
私の知人でも実際に意匠設計もしくは設備設計に転職した人がいます。
ただし構造設計はCADオペレーターからの転職は難しいでしょう。
業務内容がとても専門的なので、建築系の大学出身かつ構造系専攻でないと構造設計者にはなれません。
意匠設計と設備設計が専門的ではないかと言ったらそんなことはありませんが、CADオペレーターとして設計業務に携わることで建築設計者に転職するチャンスは十分に得られます。
未経験者が建築設計者になる方法
未経験者が建築設計になる方法を解説します。
結論から申し上げますと、以下のステップとなります。
未経験者が建築設計者になるSTEP
- CADスクールでCADスキルを身に着ける
- CADオペレーターとして建築設計事務所に就職
- スキルを磨きながら、設計業務について学ぶ
- 資格を取得
- 建築設計職に転職
では①~⑤について順を追って説明します。
CADオペレーターになる方法はいくつかありますが、CADスクールを受講することが一番おすすめです。
» 参考:おすすめな建築CADの勉強方法について解説【ヒューマンアカデミーCAD講座がおすすめな理由5選】
コースによりますが、3~6か月ほどで修了し、その後CADオペレーターとして就職する流れとなります。
CADスクールはCADスキルの習得のみならず、就職支援も充実しています。
CADスクールは随時資料請求や無料説明会を開催しています。
パソコンから簡単に申込が可能ですので、ぜひチェックしてみてください。
CADスクールでCADスキルを習得したら次はCADオペレーターとして就職です。
就職先は大別して建築設計事務所とCADオペレーターの派遣会社があります。
おすすめは建築設計事務所への就職です。
理由はCADオペレーターとして働き続け、その会社に能力を認められれば、そのまま社内で建築設計者となる場合があるからです。
私は総合建設会社の設計部に所属していますが、CADオペレーターから建築設計者となった方々を何人も知っています。
建築設計事務所で良いめぐり合わせがなければ、CADオペレーターの派遣会社でもよいですね。
どちらかというとCADオペレーターは派遣会社に所属することが一般的な印象です。
なぜ派遣会社でもよいかというと、後述しますが一番良くある建築設計者になる方法が資格を取って転職する、だからです。
また派遣会社に所属していても、派遣先の建築設計事務所で認められて引き抜かれるというケースもあります。
そのためおすすめは建築設計事務所への就職ですが、派遣会社への就職という選択肢も全く問題はありません。
いずれかの組織に就職したら、ここからは業務を通してCADスキルを磨いてください。
実は一言でCADと言っても、種類はたくさんあります。
できるだけ多くのCADソフトに触れる機会を得て、2Dも3Dも作図ができるCADオペレーターになってください。
加えて建築設計者から可能な限り設計業務について学ぶように心がけることをおすすめします。
そうすればより建築設計職への道が近づきます。
建築設計者たちの仕事内容を観察し、余力があれば彼らの仕事を手伝うことでスキルを盗んでください。
業務範囲外ではありますが、皆忙しいので喜んで手伝ってもらうと思いますよ。
私は喜んでお仕事をお願いしますね。(もちろん率先してそんなことはしていませんよ笑)
まずは例として設備設計の転職の求人を確認してみましょう。
[affi id=2]各求人に共通していることが、求められる人材欄に「1級建築士の資格を有していること」、「建築設備士の資格を有していること」とあります。
前職が建築設計職であれば、資格を有していなくても採用に至ることはあります。
また所属の会社で認められて、建築設計職となるケースも多くあります。
しかし未経験者が確実に建築設計になるためには、「一級建築士」か「建築設備士」の資格を取得することが、最も現実的であると言えます。
そして未経験者が建築設計のCADオペレーターとして従事することで、これら資格を取得して意匠設計や設備設計へとステップアップしていくことが可能なのです。
受験資格を得るまでの時間を利用して、働きながらCADスキルアップと建築設計について学ぶことができることこそが、CADオペレーターとなるおススメの理由です。
設備設計になる方法:建築設備士を取得する
資格を取得することで設備設計になる方法は2つありますが、私はこちらの建築設備士を取得する方法をおススメします。
理由は試験の難易度が建築設備士のほうが圧倒的に低いためです。
意匠設計者を目指す方は、こちらの方法は利用できませんのでご注意ください。
建築設備士とは、建築士の求めに対し建築設備の設計、工事監理に関する適切なアドバイスを行える建築士法に基づく国家資格です。
建築設備士の受験資格の条件を見てみましょう。
建築設備士の資格概要と取得するべき3つの理由【建築設備系は皆取ろう】
色々受験資格を得る方法がありますね。
この中で未経験者が受験資格を得る方法が以下の通りとなります。
未経験者の受験資格
- 内容:建築実もの経験を有するもの
- 年数:9年以上
9年以上って長すぎでしょ、と思う方はいると思います。
しかし4年制大学を出ていたとしても、大学の期間を含めると最短で6年かかります。
未経験者であれば9年かかるのは仕方ありません。
そもそも未経験者であれば、建築設備士に合格するだけの知識を得るのに9年ぐらいはかかってしまうでしょう。
意匠設計・設備設計になる方法:一級建築士を取得する
資格を取得することで意匠設計・設備設計になる方法は、一級建築士を取得することです。
一級建築士については以下の記事をご確認ください。
未経験者は最初から一級建築士を目指すことはできません。
まずは二級建築士を取得し、その後一級建築士を受験することができます。
では二級建築士受験資格の条件を見てみましょう。
この中で未経験者が受験資格を得る方法が以下の通りとなります。
未経験者の受験資格
- 内容:建築実もの経験を有するもの
- 年数:7年以上
必要な年数は7年ですが、その後一級建築士を受験・合格に2年を要しますので、最短で9年かかります。
さらに二級建築士、一級建築士共に独学で合格することは難しく、働きながら予備校に通う必要があります。
建築設備士は原則として独学で合格できますので、設備設計を目指す方は建築設備士の取得をオススメします。
未経験者が最初から建築設計になることはおすすめしない
建築設計職の求人の中には、未経験者歓迎という内容もたまに見受けられます。
しかし現役設備設計者である私の意見としては未経験者が最初から建築設計職となることはあまりおすすめできません。
理由は単純で、建築設計職は未経験者では難しい仕事だからです。
専門性が高いうえに業務範囲が広いため、教えらえたとしても最初からできるものではありません。
仮に建築設計職に就職できたとしても、よくない労働環境に置かれ、最終的には退職することになる恐れがあります。
私がCADオペレーターからステップアップするキャリア形成をおすすめするポイントはここにもあります。
まとめ
本記事では未経験者が建築設計になる方法について解説しました。
未経験者が建築設計者になる手順は以下の通りです。
未経験者が建築設計者になるSTEP
- CADスクールでCADスキルを身に着ける
- CADオペレーターとして建築設計事務所に就職
- スキルを磨きながら、設計業務について学ぶ
- 資格を取得
- 建築設計職に転職
また建築設計職への転職方法は大きく以下の2つです。
建築設計職への転職方法
建築設計はスキル、将来性、収入面からメリットが多い業種です。
建築設計になるまでの道のりは少々長めですが、建築業界でのステップアップでは、どの職業でも共通ですので、気長に取り組んでいきましょう。
そもそもCADオペレーターとして専門性を磨いていくことも十分ありです。
CADオペレーターになる手段であるおすすめのCADスクールについてもまとめましたので、ぜひチェックしてください。
» 参考:おすすめな建築CADの勉強方法について解説【ヒューマンアカデミーCAD講座がおすすめな理由5選】 以上、 建築の未経験者が建築設計になる方法【CADオペレーターからステップアップ】でした。
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