器具排水負荷単位法による排水管サイズの決定方法【3分でわかる設備の計算書】

質問・疑問

排水管サイズの決め方が知りたい
計算方法がいくつかあるぞ…
簡単な方法を教えて!

今回はこんな疑問にお答えします。

3分でわかる設備の計算書では、建築設備に関する計算方法について、3分で理解できる簡単な解説を行います。

より詳細な解説はおすすめの設備書籍をご参照ください。

本記事では器具排水負荷単位法による排水管サイズの決定方法について解説します。

結論

建屋内の排水管は原則として器具排水負荷単位法で計画しましょう。

排水管の計算方法は3種類あります。

排水管サイズの計算は原則として今回解説する器具排水負荷単位法によって決定し、用途や条件に応じて他の計算方法を利用しましょう。

目次

排水管サイズは3種類の計算方法

排水管サイズの計算方法は以下の3種類があります。

計算方法と用途

  1. 器具排水負荷単位法:屋内の排水管
  2. 定常流量法:マンション用途、集合管を用いた場合の屋内の排水管
  3. マニングの公式:外構の排水管

どの計算式を使うかは、皆さんの所属する会社やその物件を管轄する行政によって異なる場合があります。
あくまで参考とし、都度どの計算方法を採用するべきか確認することをおすすめします。

器具排水負荷単位法による排水管サイズの決定方法

器具排水負荷単位法による排水管サイズの決定方法を計算例に沿ってご説明します。
計算例の計算条件は以下のとおりです。

計算例の条件

  1. 3階建ての建物
  2. 計算対象は2階
  3. 各階同じ衛生器具
  4. ブランチ間隔※は2とする

※ブランチ間隔:上下階の排水横枝管の間隔を指します。排水横枝管同士の高さ間隔が2.5mを超えた場合、1ブランチ間隔となります。

計算対象となる排水系統イメージ図は以下のとおりです。

排水管決定のルール

排水管を決定する上で、前提条件となるルールがあります。

排水管決定のルール

  1. 排水横枝管の最小口径は、汚水管:75、雑排水・地中埋設管:50、その他:40以上とする
  2. 大便器を接続する汚水管は、大便器2個以内:75、3個以上:100以上とする
  3. 排水横枝管はそれに接続する最大トラップ口径以上とする
  4. 洗面器等の排水管は、トラップ口径の1サイズアップとする
  5. 排水立て管は、接続する横枝管以上とし、最大立て管口径にて頂上まで立ち上げる

SETP1:器具排水負荷単位の設定

まずは各衛生器具に応じた器具排水負荷単位を設定します。
各衛生器具の器具排水負荷単位の一覧は数が多いため割愛します。
参考書籍をご確認ください。
今回の対象とする衛生器具の器具排水負荷単位と接続する配管口径は以下となります。

器具排水負荷単位

SETP2:排水勾配

続いて排水勾配です。
排水管には口径に応じた勾配が必要となります。
各口径の最小勾配は以下となります。

最小勾配

排水勾配を加えた一覧表は以下となります。

最小勾配2

SETP3:許容最大排水単位表

設定した排水負荷単位を集計して許容最大排水単位表を参照しながら、許容値以下となるように排水管口径を決定します。

許容最大排水単位表は①排水横主管及び屋外排水管と②排水横枝管及び立て管の2通りに分けて参照します。
①排水横主管及び屋外排水管の許容最大排水単位数の表は以下となります。

許容最大排水単位数

②排水横枝管及び立て管の許容最大排水単位数の表は以下となります。

許容最大排水単位数

SETP4:排水管口径の決定

一連の手順に基づいて決定した排水管口径は以下となります。

排水管口径の決定

計算上の必要口径に対して決定口径は横主管をサイズアップさせています。
横主管は、道中でサイズを変えると排水障害となる恐れがあるため、最大口径で通すことが一般的なためです。
ただし横主管を最大口径で通すことは絶対条件ではありません。

よっておすすめはしませんが、コストや納まりなどの兼ね合いから調整することは差し支えありません。

まとめ

本記事では器具排水負荷単位法による排水管サイズの決定方法について解説しました。

結論

建屋内の排水管は原則として器具排水負荷単位法で計画しましょう。

本記事は簡単に計算方法をまとめています。
以下の書籍により詳しい内容が記載されています。
持っていない方は購入をおススメします。

本記事が皆さんの実務や資格勉強の参考になれば幸いです。

» 参考:建築設備士に合格するためのコツと勉強方法【学科は独学、製図は講習会で合格です】

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以上、器具排水負荷単位法による排水管サイズの決定方法でした。

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