騒音計算の距離減衰と音源合成について解説【3分でわかる設備の計算書】

質問・疑問

設備機器の騒音に問題あるかも…
騒音値はどうやって計算するんだ?
騒音計算の簡単な方法を教えて!

今回はこんな疑問にお答えします。
3分でわかる設備の計算書では、建築設備に関する計算方法について、3分で理解できる簡単な解説を行います。

より詳細な解説はおすすめの設備書籍をご参照ください。


本記事では騒音計算の距離減衰と音源合成の計算方法について解説します。

結論

対象位置までの距離と騒音レベルで計算しましょう。

目次

騒音計算の距離減衰と音源合成とは?

ある音源、例えば設備機器から発生した騒音は距離が離れるにつれて小さくなります。
これを距離減衰といいます。
よってある地点、例えば敷地境界線での騒音値を求めたい場合は、音源の騒音レベルと音源からある地点までの距離を考慮して計算します。

また騒音の音源が複数ある場合は、それらの音の合成値で、ある地点における騒音値を評価する必要があります。

騒音計算の方法

ある地点での騒音値は距離減衰と音源合成を考慮して求めます。

計算式は以下となります。

距離減衰の計算式

Lb = La – 20 ×  ( loge ( rb / ra ) / loge10 )

計算式の凡例

La:a地点の騒音レベル[dB](=カタログ値)
ra:a地点までの距離[m](=1.0m)
Lb:b地点の騒音レベル[dB](=求めたい騒音値)
rb:b地点までの距離[m](=求めたい地点までの距離)

音源合成の計算式

Lb’ = 10 × log ( 10 ^ (L1/10) + 10 ^ (L2/10) … 10 ^ (Ln/10) )

計算式の凡例

Lb’:合成されたb地点の騒音レベル[dB]
L1:b地点の騒音レベルその1[dB]
L2:b地点の騒音レベルその2[dB]
Ln:b地点の騒音レベルそのn[dB]

計算例

音源を設備機器とした場合、カタログに記載のある音圧レベルは一般的にra=1.0mとした際のLaの値です。
計算の際は音源がどの条件での音圧レベルなのかを確認するようにしてください。

条件
音源1の音圧レベル:52dB 音源1の距離:2.0m 
音源2の音圧レベル:60dB 音源2の距離:3.0m 

計算結果
Lb1 = 52 – 20 × ( loge ( 2 / 1 ) / loge10 ) ≒ 46.0dB
Lb2 = 60 – 20 ×  ( loge ( 3 / 1 ) / loge10 ) ≒ 50.5dB
Lb’ = 10 × log ( 10 ^ (46.0 /10) + 10 ^ (50.5 /10) )
51.8dB

騒音の検討には細心の注意を払おう

工場のような周囲もうるさい環境であれば、設備機器の騒音値が多少大きくても薄まりますよね。
反対に同じ音だったとして、人によってうるさいなと感じたり、そうでなかったりします。
つまり実際の騒音トラブルは、周りの音や聞き手の感覚などによって変わります。
騒音検討や対策はとても難しいです。
まず大前提として、建築プラン的に騒音トラブルが発生しないような計画とすることを心がけてください。
加えて騒音の恐れを詳細に検討したい場合は、騒音シミュレーションを必ず行うようにしてください。
今回紹介した計算方法は、騒音問題の恐れは低いけど一応確認しておくか!、程度の際にご利用ください。

まとめ

本記事では騒音計算の距離減衰と音源合成の計算方法について解説しました。

結論

対象位置までの距離と騒音レベルで計算しましょう。

大前提として、建築プラン的に騒音トラブルが発生しないような計画とすることを心がけてください。
加えて騒音の恐れを詳細に検討したい場合は、騒音シミュレーションを必ず行うようにしてください。
今回紹介した計算方法は、騒音問題の恐れは低いけど一応確認しておくか!、程度の際にご利用ください。

本記事は簡単に計算方法をまとめています。
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本記事が皆さんの実務や資格勉強の参考になれば幸いです。

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以上、騒音計算の距離減衰と音源合成について解説【3分でわかる設備の計算書】でした。

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