消防設備士ってどんな資格?
消防設備士を取得するメリットって何?
誰が取得する必要ってあるの?
今回はこんな疑問にお答えします。
設備系職新入社員は、消防設備士の取得をおすすめします。
学習方法はおすすめ順に「通信講座」>「講習会」>「独学」です。
皆さんのキャリア形成する上で、ゆくゆくは一級建築士、建築設備士等の様々な資格を取得を目指すことになります。
その中で消防設備士は、資格勉強の中でも入門的な資格と言えます。
受験資格は得やすく、難易度も比較的容易でかつ、資格そのものに十分な価値があるため、とてもおすすめな資格です。
おすすめの通信講座はたのまなです。
サポートが充実しており、消防設備士の定番である第1類・第4類・第6類から選べます。
本記事を参考に消防設備士取得を目指していただければと思います。
消防設備士概要
まずは簡単に消防設備士の資格概要についてご説明します。
すでにご存じの方は、次の章に読み飛ばして頂いて差し支えありません。
消防設備士とは
劇場、病院、ホテルなど特定の建物は、用途、規模、収容人員に応じて消化器設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備などの消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置が法律により義務づけられております。
設備設計者は消防局と協議して、それら消防設備計画についてまとめていきます。
そして工事着工後にこれらの工事、整備等を行う際に、消防設備士の資格が必要となります。
消防設備士の種類
甲種消防設備士と乙種消防設備士
消防設備士の資格には大きく2種類あります。
甲種消防設備士と乙種消防設備士です。
甲種消防設備士は、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事、整備、点検を行うことができます。
乙種消防設備士は消防用設備等の整備、点検を行うことができます。
甲種消防設備士のほうが、できる仕事の範囲が広いというわけですね。
その分受験資格の条件が厳しく、難易度も相対的に高く設定されています。
消防設備士の免状の種類
消防設備士は免状の種類によって、工事などのできる消防用設備が異なります。
一言で消防設備士といっても、複数の種類があるのです。
消防設備士の種類は以下に分かれています。
免状の種類 | 甲種 | 乙種 | 工事整備対象設備等 |
特類 | ○ | – | 特殊消防用設備等 (従来の消防用設備等に代わり、総務大臣が当該消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備等) |
第1類 | ○ | ○ | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備 パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備 |
第2類 | ○ | ○ | 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備 |
第3類 | ○ | ○ | 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備 |
第4類 | ○ | ○ | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備 共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備 特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備 |
第5類 | ○ | ○ | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 |
第6類 | – | ○ | 消火器 |
第7類 | – | ○ | 漏電火災警報器 |
甲種特類とは
甲種消防設備士には更に「甲種特類」なる資格があります。
甲種特類を保有していると従来の消防用設備等に代わって、総務大臣が従来の消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備も扱えます。
例えば排煙設備の「加圧防煙システム」などがこの設備に該当します。
受験資格
受験資格は甲種と乙種で大きく異なります。
甲種の受験資格
甲種に受験するには、建築学科卒等の学歴か管工事施工管理技士等の資格保有が必要となります。
詳しくは以下のURLをご参照ください。
甲種特類を受験するには、甲種第1類から第3類までのいずれか一つ、甲種第4類及び甲種第5類の3種類以上の免状の交付を受けていることが必要です。
乙種の受験資格
乙種は誰でも受験が可能です。
よって完全未経験者は、乙種消防設備士を取得することからキャリアを積み上げていくも可能です。
とてもお得で価値のある資格ですね。
試験内容
試験はマークシートと実技と呼ばれる記述式のペーパーテストで構成されます。
記述式ペーパーテストですので、ある程度の記述練習が必要となります。
マーク・カードを使う筆記試験 | 全種/四肢択一式 |
実技試験 | 写真・イラスト・図面等による記述式 |
試験時間 | 甲種特類/2時間45分 甲種(特類以外)/3時間15分 乙種/1時間45分 |
設備系職新入社員が消防設備士を取るべき3つ理由
設備系職新入社員が消防設備士を取るべき理由は大きく3つあります。
またどの理由も取得時期が早いほど効果がありますので、特に設備系職の新入社員の皆さんにおすすめです。
理由1:消防設備の知識が深まる
日本国内で建てられる建物のほぼ全てに消防設備は必要となります。
必要となる消防設備は用途や規模により異なりますが、いずれもとても重要な設備です。
また多くの消防設備は設計・施工ともに、防災メーカー調整しながら業務を進めます。
規模によってはメーカーに一任する場合もあり、実務を通して消防設備を勉強することがちょっと難しいという側面もあります。しかしメーカーと調整する上で知識がない、では良い建物が作ることはできません。
そんな消防設備について、消防設備士の資格勉強を行うことで、即仕事に役立つ知識を学びながら価値ある資格を得られるわけです。
機械設備系であれば第1類(屋内消火栓設備他)と第6類(消化器)、電気設備系であれば第4類(自動火災報知設備他)の取得が一般的です。
第1類・第4類・第6類が活躍の場が多いからですね。
余力があればその他の免状についても挑戦する価値はあります。
理由2:転職時にプラスになる
転職時の市場価値は、前の会社での実績と自身の保有資格で決まります。
消防設備士は施工実務に必要な資格ですので、取得しておけば転職時にプラスに働きます。
加えて消防系や施工系の職種への転職となれば更にプラスとなります。
自身のキャリアアップに備えて、消防設備士を取得しておくことは大きなメリットがあります。
理由3:受験資格を得られやすい
一級建築士や建築設備士等は、原則的に資格証を得るまでに一定年数以上の実務経験を有する必要があります。
それに対して消防設備士は甲種であれば大学卒業時点、乙種であればいつからでも受験が可能となります。
よって消防設備士は建築設備士等のための実務経験を積み上げている段階である新入社員時に挑戦することができます。
一級建築士や建築設備士といったゆくゆく取得するであろう他の資格と受験時期をずらすことがかのうです。
いくつもの資格を取得していく必要のある設備系職にとって、このメリットは大きいです。
消防設備士の学習方法は3種類【おすすめする学習方法は「通信講座」】
消防設備士の学習方法について解説します。
学習方法は大きく分けて3種類あります。
学習方法3種類
- 独学
- 講習会
- 通信講座
下表は3種類の特徴を「コスト」、「学習方法」、「教材量」、「おすすめ」で比較しています。
それぞれ順に解説していきます。
学習方法
- 独学:市販の参考書を購入して学習
- 講習会:講習会に参加し、その際に配布されたテキストで学習
- 通信講座:通信講座のテキストと作文添削による学習
独学
「独学」は自身で参考書を購入して学習する方法です。
ある程度消防設備について理解している方であれば効率的に学習が可能です。
反対に初学者にとってはどのように勉強を進めればよいかわからず、戸惑ってしまう学習方法となります。
私がおすすめする参考書は、例えば第4類ですと以下となります。
講習会
「講習会」は法人が開催する試験対策の講習会に参加する学習方法です。
講習会内でテキストが配布されますので、そのテキストをやりこんでいく勉強方法になります。
初学者にとっては独学よりも勉強しやすい方法となります。
私もこの方法で学習しました。
しかし配布テキストだけでは心もとなかったため、結局市販の過去問も併用して勉強を進めました。
どの講習会に参加するかが学習効率に影響します。
通信講座
「通信講座」は通信講座に申し込んで、配布テキストや添削サービスによって学習を進める方法です。
基礎~専門知識のテキストが配布されるため、どなたでも学びやすい構成となっています。
テキストで迷う必要もありません。
また添削や質問サービスも含まれていますので、手厚い試験対策を受けられます。
注意点として、「通信講座」の大半は第1類・第4類・第6類を対象としています。
よってそれ以外の類別を受験する場合は「独学」か「講習会」の2択となります。
コスト
- 独学:¥5,000~15,000
- 講習会:¥15,000~35,000
- 通信講座:¥15,000~25,000
独学
「独学」は参考書購入費のみなため、¥5,000〜15,000と最も低コストに抑えられます。
金額は1冊¥2,500と仮定して2〜6冊購入すると想定しています。
ある程度知識がある方であれば、受験対策用の参考書のみでよいでしょう。
初学者は基礎知識や用語集なども必要になるため、費用対効果は低い印象です。
講習会
「講習会」は地域や法人によってピンキリで¥15,000〜35,000が相場のようです。
私が受けた講習会は¥20,000程度だった記憶があります。
¥10,000台で受講できれば、コスト的に受講するメリットがあります。
通信講座
「通信講座」は¥15,000〜25,000程度で3種類の学習方法で中間のコストです。
資格学校TACであれば安いコースで¥15,000、たのまなであれば23,100円といった具合です。
コストは「独学」には劣りますが、その分教材が充実しています。
費用対効果は一番高いです。
教材量
独学
「独学」は自身で購入した量によります。
必要な教材量を自分で判断しなければならないため、初学者ほど過不足が発生する恐れがあります。
ある程度知識がある方であれば、過去問+参考書の2冊程度が目安になります。
講習会
「講習会」は参加する講習会によりますが、テキストを1,2冊配布されます。
このテキストで基本的には十分かと思います。
しかし配布テキストだけでは心もとなかったため、結局市販の過去問も併用して勉強を進めました。
講習会によってテキストのクオリティは異なりますのでケースバイケースかと思います。
通信講座
「通信講座」
基礎〜専門知識のテキストが配布されるため、どなたでも学びやすい構成となっています。
初学者にはおすすめです。
反対に知識がある方には過剰なボリュームに感じるかもしれません。
おすすめ
私のおすすめ順は、「通信講座」>「講習会」>「独学」となります。
「通信講座」は費用対効果が高く、合格率が向上します。
テキストは充実しており、作文添削もカリキュラムに含まれており手厚いサポートが受けられます。
「講習会」は要点を講師が教えてくれますので、これも良い選択肢です。
しかしちょっと割高かなという印象があります。
加えてテキストはピンキリであるため、追加で市販のテキストを購入することになる恐れがあります。
「独学」はベテラン向けです。
初学者は結果的に高くつく恐れがあり、合格の期待値も下がります。
おすすめの通信講座はたのまなです。
サポートが充実しており、消防設備士の定番である第1類・第4類・第6類から選べます。
まとめ
本記事では設備設計者が消防設備士を取得するべき理由とその学習方法について解説しました。
消防設備士を取得するべき理由は以下の3つです。
消防設備士を取得するべき理由
- 消防設備の知識が深まる
- 転職時にプラスになる
- 受験資格を得られやすい
消防設備士の学習方法は以下の3つが挙げられます。
私のおすすめは通信講座ですが、自身の習熟度に合わせて選ぶとよいでしょう。
学習方法3選
- 独学
- 講習会
- 通信講座
本記事が皆さんの消防設備士取得の参考になれば幸いです。
以上、設備設計者が消防設備士を取得するべき3つの理由と学習方法【初心者におすすめの資格です】でした。
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