設備設計一級建築士の受験資格、申込手順や講習概要について解説

質問・疑問

設備設計一級建築士はどうすればなれるんだろう?
設備設計一級建築士の申込内容や注意点について知りたい!
設備設計一級建築士の概要について知りたい!

本記事ではこんな疑問にお答えしたいと思います。
設備設計一級建築士は、他の資格にはないような規定があります。
例えば受験資格を得られる業務内容が細かく決まっていたり、「申込区分」によって試験内容が変わったりします。

» 参考:設備設計一級建築士とはどのような資格か、難易度や年収について解説

設備設計一級建築士を目指す皆さんは、就職した時点で知っておくべき内容だといえます。
やみくもにキャリア形成を行うと、大きく遠回りをする恐れがあるためです。
そこで本記事は、設備設計一級建築士の受験資格、講習概要や申込手順について解説します。
一通り目を通すことで、設備設計一級建築士に対する理解が深まり、今後取るべき行動がわかります。

目次

設備設計一級建築士の受験資格

設備設計一級建築士の受験資格

受験資格は一級建築士を取得後、5年以上設備設計の業務に従事した方が得られます。
また建築設備士として従事する建築設備に関する業務は、一級建築士となる前に行った業務も含むことが可能です。
ちょっと複雑ですよね。
下表が実務経験として認められる業務、実務経験として認められない業務の一覧です。
要するに、設備設計に関わる業務内容が実務経験として認められる業務に該当します。
積算部に配属となった私の知人は、入社後にこのことに知り、設備設計一級建築士に受験できない事実にショックを受けていました。
設備設計一級建築士を取得するするつもりが、実務経験として認められない業務に従事してしまっていた!、等ということがないようにご注意ください。

実務経験として認められる業務

設備設計の業務
確認審査等の業務(建築設備に関するものに限る。)
建築設備士として従事する建築設備に関する業務
確認審査等の補助業務(建築設備に関するものに限る。)
工事監理の業務(建築設備に関するものに限る。)
消防同意の審査に関する業務(建築設備に関するものに限る。)

実務経験として認められない業務

平成25年10月1日以降に従事した設備設計の補助業務
平成25年10月1日以降に従事した建築設備に関する工事監理の補助業務
建築設備設計以外の設計(意匠設計、構造設計等)
建築設備以外の工事監理
積算
施工・施工管理
研究・教育
行政(確認申請の審査業務を除く。)
土木関係の業務
都市計画関係の業務
環境等の業務

設備設計一級建築士の受講申し込みに必要な書類と記載例

受講申し込み

受講申込に必要な書類配下の通りです。

  1. 受講申込書
  2. 写真 2枚
  3. 受講手数料振込受付証明書
  4. 受講資格を証明する書類

1.受講申込書には、業務経歴を記載する必要があります。
5年間設計を行いましたよ、という説明書きですね。
建物の名称、規模や構造等の概要と担当した業務内容を記載します。
業務内容の記載例は以下となります。
”プロジェクトの初期段階から参画し、主に空調・衛生設備に関わる設計を担当した。空調方式やダクトルートの検討を行い、その結果を踏まえて設備設計図を作成した。工事の着工後は工事監理を担当し、竣工までその業務に従事した。”
こんな感じで一般的な内容で大丈夫です。
また大半の方が建築士事務所に所属しているかと思います。
その場合は所属建築事務所の管理建築士による証明(サイン)が必要です。
管理建築士の確認時間を考慮して、業務経歴の記載を後回しにしないようご注意ください。
4.受講資格を証明する書類は、申込区分に応じた資格証や過去の受験票等です。
詳しい書類は割愛しますが、受講者によって必要書類が異なりますので、こちらについても注意が必要です。
申込区分とは、講習の受講コースのようなものです。
申込区分については、以下の記事で詳しく触れていますので合わせてご確認ください。

» 参考:設備設計一級建築士とはどのような資格か、難易度や年収について解説

設備設計一級建築士の申し込みから資格取得まで

申し込みから資格取得まで

受講申込書の頒布と申込受付は、毎年5月中旬~6月中旬ごろを予定されています。
案内は以下のサイトに掲載されます。

公益財団法人建築技術教育普及センター

設備設計一級建築士講習への申込は、「受講申込区分」によって手数料や必要書類等が変わってきます。

  1. 申込区分Ⅰ 全科目:保有する資格が「1級建築士」のみで受講する方
  2. 申込区分Ⅱ 法適合確認のみ:過去2年間の講習で「設計製図」のみで合格した方
  3. 申込区分Ⅲ 設計製図のみ:過去2年間の講習で「法適合確認」のみで合格した方
  4. 申込区分Ⅳ 建築設備士:保有する資格が「1級建築士」かつ 「建築設備士」で受講する方
  5. 申込区分Ⅴ 全科目免除:過去2年間の講習で「法適合確認」に合格され、かつ 「建築設備士」の方

新規申込の場合は、申込区分Ⅰか申込区分Ⅳとなります。
私のおススメは申込区分Ⅳです。
事前に建築設備士を取得する必要がありますが、講義と修了考査の労力が大きく軽減できます。
申込区分Ⅳで受講し、学習の要点も掴んでおけば、合格の確率は大きく向上します。

» 参考:設備設計一級建築士の学習方法や合格に向けたコツについて解説【過去問を入手しよう】

その後受講票が8月上旬ごろに発送され、8月中旬~9月中旬にかけて講義が行われます。

» 参考:設備設計一級建築士講習の講義概要や受講のポイントについて解説【勝負は後半の4時間です】

講義日数は1~3日で、申込区分によって変わります。
講義の期間に幅がある理由は、講習地によって日時が異なるためです。
転勤等のやむを得ない事情がある場合に限り、1週間前までであれば、講習地の変更が可能です。
修了考査は10月下旬に行われ、合格者の発表は12月中旬ごろとなります。

» 参考:設備設計一級建築士の修了考査に合格する方法ついて解説【適切に対策することが重要です】

合格者は1年以内に交付の申請を行い、完了し次第、設備設計一級建築士証が交付されます。

設計一級建築士の申し込みから資格取得まで

設備設計一級建築士の受講手数料

受講手数料は申込区分によって異なります。
申込区分Ⅰ、Ⅲは設計製図の講義及び修了考査を行うため、手数料は高いなります。
申込区分Ⅱ、Ⅳは法適合確認のみですので、比較的安めです。
申込区分Ⅴは講義及び修了考査共に免除されますので、審査手数料のみとなります。

受講手数料

申込区分受講手数料
¥64,800
¥43,200
¥54,000
¥43,200
¥2,160
※平成30年時点

設備設計一級建築士の講習地及び講習期間

講習地及び講習期間

講習地及び講習期間は、下表の中から申込受付順に受講者の希望する場所となります。
希望者が集中した場合は、希望する講習地及び講習期間で受講できませんので、早めの申込をおススメします。
ただ受講申込書に希望地を第3希望まで記載する欄がありますが、第1希望以外での受講が困難な場合は、第2、3希望は省略できます。
余程のことがない限り希望通りの講習地になるはずです。
ちなみに私は東京都以外で受けたくなかったため、第1希望のみ記載して申し込みました。
講義の方式は、東京都のみ講師による対面式で実施します。
その他の講習地は東京都での内容をDVD上映にて実施されます。
講習地の変更は原則として認められていません。
転勤等のやむを得ない事情がある場合に限り、1週間前までであれば、講習地の変更が可能です。

講習地一覧

講習地講義時期講義形式修了考査
札幌市9月中DVD10月下旬
仙台市9月中DVD
東京都8月下旬対面
名古屋市9月中DVD
大阪府9月中DVD
広島市9月中DVD
福岡市9月中DVD
※平成30年時点

設備設計一級建築士の講習の構成

設備設計一級建築士の講習の構成

講習は、テキストを使用した3日間の講義と1日の修了考査の構成により実施されます。

» 参考:設備設計一級建築士講習の講義概要や受講のポイントについて解説【勝負は後半の4時間です】

» 参考:設備設計一級建築士の修了考査に合格する方法ついて解説【適切に対策することが重要です】

受講すべき講義の一部でも欠席した場合は、修了考査を受けることはできません。
私の受講時も都度受講票をチェックされましたので、遅刻等はないようにご注意ください。

講習内容

日程時間内容申し込み区分
講義第1日午前10:00~12:00(2時間)建築設備関係法令
午後13:00~14:00(1時間)建築設備設計総論
14:00~18:00(4時間)法適合確認
第2日午前10:00~12:00(2時間)電気設備の設計技術
午後13:00~15:00(2時間)電気設備の設計技術
15:00~18:00(3時間)空調・換気設備の設計技術
第3日午前10:00~11:00(1時間)空調・換気設備の設計技術
11:00~12:00(1時間)給排水衛生設備の設計技術
午後13:00~16:00(3時間)給排水衛生設備の設計技術
16:00~18:00(2時間)輸送設備の設計技術
修了考査1日午前10:00~12:00(2時間)法適合確認
午後13:15~17:15(4時間)設計製図

まとめ

本記事では、設備設計一級建築士講習の受験資格と申込概要についてお伝えしました。

本記事のポイント
  1. 受験資格を得る条件に注意が必要
  2. 受講申し込みはある程度余裕を持つ
  3. 申込区分Ⅳがおすすめ
  4. 講義の方式は、東京都のみ講師による対面式、その他はDVD視聴
  5. 申込区分により講習は最大で4日を要する


ややこしさはありますが、どれも事前に把握していれば難しものではありませんので、参考にしてください。
本記事が設備設計一級建築士への理解の手助けになれば幸いです。
申込区分Ⅳで申し込んだ場合の学習方法もまとめていますので、合わせて確認することをおすすめします。

» 参考:設備設計一級建築士の学習方法や合格に向けたコツについて解説【過去問を入手しよう】

以上、「設備設計一級建築士の受験資格、申込手順や講習概要について解説」でした!

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