設備設計事務所の種類、特徴、大手について解説【設備の設計事務所は3種類あります】

質問・疑問

設備設計はどんな会社で働くの?
設計事務所とゼネコンでどう違うの?
自分に向いている会社はどこだろう?

今回はこんな疑問にお答えします。

結論

組織設計事務所、設備設計事務所、総合建設会社(ゼネコン)設計部の3種類あります。

建築業界の仕事内容や会社って、業界外からよくわからないですよね。
私も学生の時そうでした。
設備設計も同様で、就職先には大小さまざまな会社があります。
加えて設計事務所だったり、建設会社だったりと異なる種類の会社が選択肢として挙がります。
事前情報なしでは会社選びが難しく、入社後にイメージと違った!、なんてことも起こりえます。
そこで本記事では、設備設計として働く会社の種類、特徴、代表的な大手企業についてまとめました。

この記事を読めば、設備設計が所属する設計事務所についての整理がつき、就職や転職の参考になります

目次

設備設計事務所は3種類

設備設計事務所は3種類

設備設計が所属する設計事務所は大きく以下の3種類があります。

設計事務所の種類

  1. 組織設計事務所
  2. 設備設計事務所
  3. ゼネコン設計部

どれも「建物を設計する」ということに変わりありません。
大きな違いは求められる設計内容にあります。
それぞれについて解説します。

組織設計事務所

組織設計事務所は一つの建築設計事務所で、意匠・構造・設備のすべての計画・設計が可能な組織です。
設備設計は、この中の設備設計部門に属して設計業務を全般を行います。
設計のプロフェッショナルとしてすべての設計業務を行いますので、基本的に設計の構想段階からプロジェクトに関われます
ゼロからもの決めをするため、傾向としてはゼネコン設計部よりも忙しくなるケースが多いです。
それでも自身の考えを設計に反映できるため、多くのやりがいを得ることができます。

こんな人におすすめ
  • 設計のプロフェッショナルを目指したい人
  • 自身の設計提案を実現させたい人
  • 設計構想から活躍したい人

設備設計事務所

設備設計事務所は、組織設計事務所が一つの建築設計事務所で設計のすべてを行うのに対して、設備設計に特化したスペシャリスト集団です。
請け負う仕事としては、エネルギーコンサルティング、計算・シミュレーション支援、ファシリティマネジメント等の設計以外の業務も行います。
設備設計専門の会社ですので、各プロジェクトにおいて他社設計と共同で設計を進めていきます。
エネルギーセンターのような難易度の高い設備設計にも携わることが可能です。
中には下請けとしての業務もあるため、組織設計事務所と同様にゼネコン設計部よりも忙しくなるケースが多いです。

こんな人におすすめ
  • 設備のスペシャリストを目指したい人
  • 自身の設計提案を実現させたい人
  • 設計以外の設備のノウハウを吸収したい人

総合建設会社(ゼネコン)設計部

ゼネコン設計部は組織設計事務所や設備設計事務所とは立ち位置が異なります。
組織設計事務所や設備設計事務所は設計によって利益を確保していることに対して、ゼネコンは大部分が施工によって利益を確保しています。
ゼネコン設計部の特徴は、その延長上に施工があるため、コストや施工性を考慮した設計が必要となります。
よって、設計事務所に比べてデザインの余地が少ないです。
これは組織の利益を優先してるというわけではなく、建築主の要望によるものです。
ゼネコン設計部は、社会的にコストも含めた総合的な設計が求められている組織になります。

こんな人におすすめ
  • コストや施工を理解したゼネラリストを目指したい人
  • 施工やその他業務にも興味がある人(異動が可能)
  • 給与や時間面で安定がほしい人

3種類それぞれの大手企業は?

代表的な設備設計事務所

大手企業の例としてそれぞれ5社をまとめました。
これらがトップ5!、というわけではなく大手の中から5社ピックアップしたと認識してください。
ただしゼネコンに関してはトップ5と言えます。

会社によって設備設計と設備施工を合わせた「設備」としてしか採用していない場合があります。
中途採用は設備設計で採用していますので問題ありませんが、新卒採用の場合は注意が必要です。
就職活動の際は、良く調べることをおススメします。

組織設計事務所

  1. 日建設計
  2. 三菱地所設計
  3. 日本設計
  4. 久米設計
  5. NTTファシリティーズ

設備設計事務所

  1. 森村設計
  2. 建築設備設計研究所
  3. 総合設備コンサルタント
  4. 蒼設備設計
  5. ピーエーシー

ゼネコン

  1. 鹿島建設
  2. 清水建設
  3. 大林組
  4. 大成建設
  5. 竹中工務店

仕事のボリュームゾーン

設計業務の比率

設計の業務はいくつかのフェーズに分かれます。

その中で設計フェーズに着目した場合は、それぞれの会社の仕事のボリュームゾーンは以下のようになります。

企画設計基本設計実施設計
組織設計事務所
設備設計事務所
ゼネコン設計部

(◎:多い 〇:普通 △:少ない)

組織設計事務所は、上流となる企画や基本設計のボリュームが多いです。
設備設計事務所は、組織事務所に傾向は似ますが、まんべんなく対応します。
ゼネコン設計部は、基本もしくは実施設計から携わることが多いです。

年収比較

設備設計の年収比較

会社規模や役職によって大きく異なりますが、年収の傾向としては以下のようになります。

ゼネコン設計部 > 組織設計事務所 > 設備設計事務所

傾向としては、ゼネコン設計部、組織設計事務所、設備設計事務所の順に年収は高くなります
あくまで目安ですので、大手組織設計事務所が中堅ゼネコンよりも高いということもあります。
具体的な各社の年収は、以下の求人情報から簡単な登録で閲覧できますのでご活用ください。

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まとめ

本記事では、設備設計として働く会社の種類、特徴、代表的な大手についてまとめました
設備設計の会社は大きく3種類があり、特徴を一言でまとめますと以下となります。

各社の特徴

  1. 組織設計事務所…設計のプロフェッショナル
  2. 設備設計事務所…設備のスペシャリスト
  3. ゼネコン設計部…設計のゼネラリスト

同じ設計業務でも、仕事のボリュームゾーンや社会的に求められる設計品質が異なります。
この記事を参考に自分に合った設備設計の会社を見つけていただければ幸いです。

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» 参考:簡単な設備計算アプリまとめ

本記事が皆さんの実務や資格勉強の参考になれば幸いです。

» 参考:建築設備士に合格するためのコツと勉強方法【学科は独学、製図は講習会で合格です】

» 参考:一級建築士試験の資格学校4選について解説【おすすめはスタディングとTACです】

以上、「設備設計事務所の種類、特徴、大手について解説【設備の設計事務所は3種類あります】」でした!

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